「足を速くしたいなら、とにかくたくさん走らせる」
これは多くの方が思い浮かべる練習法ではないでしょうか。
確かに小学生の時点では、体格や筋力が足の速さを決める大きな要因になります。とにかくたくさん走って、走るために必要な筋肉をつければ、短期的には速くなります。
しかし、私の経験上、成長するに従って、走っているだけの子は伸び悩む傾向があります。
足が速くなる子ほど、実は「走る以外の動き」ができます。
今回は、かなた陸上クラブで実際に大切にしている考え方をもとに、なぜ「たくさん走らない」ことが将来の速さにつながるのかをお伝えします。
なぜ「たくさん走る」が遠回りになるのか
短距離走の研究で分かっているのは、速さを決めるのは「足が地面についている時間の短さ」と「その短い時間で地面に強い力を伝える」ことです。
ところが、ただ走る練習を繰り返すと、子どもは「もっと頑張ろう」「もっと強く蹴ろう」と力んでしまいがちです。その結果、地面を長い時間蹴ってしまい、脚が後ろに流れて姿勢が前のめりになり、かえってタイムが伸びないということが起こります。
走らない練習で走りのヒントを掴む
かなた陸上クラブでは、走る前に「弾む・跳ぶ」練習を大切にしています。
具体的には、スキップ、片足ジャンプ、ジャンプしながら進む動き、小さな障害物を使ったリズム走などです。
これらはすべて、足が地面についている時間を短くする感覚、地面からの跳ね返りを感じる感覚、からだ全体を連動させる感覚を養うための練習です。
「走る」という動作の前に、こうした土台をつくることで、自然と軽やかな走りが身についていきます。
家庭でできること:「過程」を言葉にする声かけ
運動が伸びる子に共通しているのは、自分の動きを言葉で振り返れるという点です。
「さっきより軽く走れた気がする」「今日はリズムよく跳べた」
こうした言葉が出てくる子は、上達が早い傾向があります。
ご家庭では、「速かったね」という結果への声かけより、「今の走り、前より軽そうだったね」「足がすぐ戻ってきてたね」と、過程を言葉にする声かけを意識してみてください。
これは脳の中で動きが整理されることにつながり、運動スキルの定着を助けます。
まとめ:「走り込み」より「動きの質」
足が速くなるために必要なのは、たくさん走ることではありません。
弾む・跳ぶといった動きで土台をつくり、軽やかに走る感覚を身につけること。そして、その子に合った練習を積み重ねること。
これが、かなた陸上クラブが大切にしている考え方です。
沼津市・三島市で、「スポーツが苦手」「自信がない」「でも伸ばしてあげたい」そう感じている方は、ぜひ一度体験してみてください。
比べる指導ではなく、一人ひとりの"できた"を積み重ねる環境を用意しています。